ハイキングルート |
山小屋から牛小屋(ここで地元産のチーズを買えるようなのだが、我々の滞在中は運悪く閉まっていた)の脇を通り、カラマツの茂る谷を登る。最初は急斜面をひたすら登るだけで面白くないのだが、標高が増すにつれて次第に視界が開けてくる。草花に覆われ、小川が流れる牧場のような平地を横切る。この辺りから登りは緩やかになる。左右にそびえる3,000mにとどく山々を眺めながら時間をかけてゆっくり登って行く。
2時間足らず歩いた後、道標が立つ峠に着いた。眼下に目的のプラル湖が見える。湖は三方を山に囲まれた草地に横たわっている。アイベックスの集団が駆け足でハイキングトレイルを横切って行くのが見える。水でも飲みに来たのだろうか?ハイカー達を遠回しにしながら山の向こうに消えて行った。峠から湖まで下る。下ると言っても、標高2,339mもある。湖には水草がびっしりと生えていた。水は冷たく、やや濁っている。蛙が人影に驚いて飛び跳ねる。我々はここで昼食をとった。
プラル湖全景 |
プラル湖を出ると長い下り道になる。眼下に広がる広大な草原に向かって山の斜面をゆっくりと下って行く。トレイルの脇を小川が流れている。この辺りに生息しているモルモットが鋭い警戒音を発する。母親なのか、岩に上がってこちらをじっと見ている。モルモットは高山では比較的よく見かける。中には人馴れしていて、近寄っても逃げないのがいる。やがて草原の端の三叉路に着く。左にのびる道はどうやら山の尾根を巡るトレイルらしい。我々は右手に折れ、放牧されている牛を驚かせないように注意しながら草原を横切って行く。草原を抜けると谷を下る。谷川が勢いよく流れている。水量が豊富である。谷の斜面は草花で覆われ、蝶が無数に舞っている。撫子もあちこちに咲いている。蛍もいるかも知れない。途中、20人ほどの中学生のグループに出くわす。ニースからやって来たという。谷を下り終えると車道に出る。最後はこの車道を登って山小屋に戻った。
登り下りがきつくない、初心者も十分に楽しめるコースだが、ハイキングシューズは必須だと思う。とにかく景色が素晴らしい。天気が良ければ申し分ない。次回は周辺の山に登ってみたい。