2015年7月8日水曜日

サーニュ湖-メルカントゥール国立公園

ここ二週間余りフランス全土は猛暑で、連日摂氏30度を超える日々が続いている。観光客(ロシア人、中国人が特に多い)で溢れるニースは光化学スモッグ警報が出っ放しの状態で空気が非常に悪く、海の水も汚れている。いつも思うのだが、何故、真夏のニースにこれほどの人間がやって来るのか私には全く理解できない。
とにかく大気汚染からだけでも逃れようと、先日、ニースから1時間半程のボレオン(le Boréon)へ行ってきた。ボレオンと言えばアルファ(Alfa :Le Parc des Loups du Mercantour)と呼ばれる野生狼の保護施設で有名だが、ハイカーにとってはメルカントゥール国立公園の入り口のひとつとしてよく知られている。ここからトレコルパス湖(lac de Trécolpas)へ登るルートは特に人気がある。私達はハイカーで混んでいるであろうこの湖には行かずに、クーグルド山小屋(le refuge de la Cougourde)の少し先にある、やや小ぶりなサーニュ湖(lac des Sagnes)を目指した。
横の地図の青色がトレイルで、休憩を含めて往復5時間半程度かかった。この日は気温が恐らく30度近くまで上がっていたと思われ、私達は非常にゆっくりとしたペースで歩いた。駐車場が標高1670mなので、サーニュ湖まで520m上ることになる。トレイルはよく整備されており、非常に歩きやすかった。
駐車場から薄暗い松林を抜け、1時間ほど登るとカラマツが次第に目に付くようになる。小川があちこち流れていて、木橋を何度となく渡る。途中、多くのハイカーと出会ったが、その大多数は分岐地点425を右に折れてトレコルパス湖の方へ向かって行った。予想した通りだった。


山小屋までは緩やかな登りが絶えなく続く。連日の睡眠不足に加えて気温が高いのでやや疲れる。駐車場から二時間半ほどで山小屋に到着。休憩は取らずに、建物の脇を通りサーニュ湖までさらに進む。

山小屋の裏手を歩いてサーニュ湖へ向かう。ここから三十分程歩く。高気温にもかかわらずにまだ残雪が見られた。
サーニュ湖
サーニュ湖は想像以上に小振りだった。小川が湖に幾重にも流れ込んでおり、その水は氷のように冷たい。一ヶ月前はこの辺り一面は春の花で溢れていたに違いない。モルモットの鳴き声が聞こえたがいくら探しても姿が見えなかった。湖畔で昼食をとった後は山小屋まで下りてコーヒーを飲んだ。この日の夜は30人の宿泊客があると管理人が言っていた。

クーグルド山小屋
サーニュ湖はさほど綺麗ではなくやや失望したが、青々とした夏草の生えるトレイルを歩くのは気持ちが良かった。無数の小川や滝の水音を聞いていると暑さを忘れた。全般的に満足できる一日だった。