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残雪を映すオティエ湖 |
このところ、ニースは連日30度を超える暑さが続いている。この暑さのため、つい先日、市内に光化学スモッグ警報が出された。公共交通網が日本ほど発達していないので、フランス人は車を多用する。毎年、夏になると市街地では空気汚染が深刻になる。
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ニースからベルヴェデール |
今回はメルカントゥール国立公園内にあるオティエ湖(lac Autier)についてちょっと書いてみる。湖はニースから車で1時間半のベルヴェデール(Belvédère)という村の外れにある。村を抜けて狭い舗装道路をゴルドラスク谷(Vallon de la Gordolasque)に沿って10キロほど行くと駐車場があり、そこから歩く。原始人の壁画で非常によく知らた「驚異の谷」(Vallée des Merveilles)も近いので、我々が着いた時(朝の九時過ぎ)は、駐車場はすでに100台ほどの車で満杯だった。ハイカーの混雑でこの先が思いやられると危惧したが、大半は別ルートを選んだようで、我々は比較的静かな一日を過ごすことが出来た。
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ハイキングルート |
駐車場からクント木橋を渡りゴルドラスク川に沿って20分程歩くと、分岐点に着く。そのまま谷を直進するとニース山小屋に、谷を横切り斜面を上るとオティエ湖に行く。ここから湖まで600m弱の上りである。道は岩がゴロゴロしていてやや歩きにくく、初心者には多少きついかも知れないが、景色はよい。この辺りは水が豊富で、あちこちに川が流れており、大小様々な滝も見られる。野生の鹿やモルモットを期待していたのだが、この日は一匹も見ることが出来なかった。駐車場から2時間弱でオティエ湖に到着。
オティエ湖は最大深度8mあるようだが、水は冷たく、よく澄んでいた。蛙ではなく、小ぶりのマスが泳いでいるのが見えた。残雪と雲の白が湖面によく映え、非常に美しい。周りの切り立った山々も美しい。去年行ったプラル湖の周辺と似たような地形である。実際、プラル湖は山ひとつ隔てた別の谷に位置している。地学的には双方とも氷河が侵食した窪地に形成された湖であるので似ていても不思議ではない。
暑さにうだるニースを出発してから4時間弱でこの自然の中に立つことができるとは、我々は幸せ者である。多分、オティエ湖は今まで行った高山の湖の中でも美観トップ5に入る。是非、お勧めしたい。
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オティエ湖を目指してひたすら登る |