2013年8月29日木曜日

ニース山小屋(Refuge de Nice)

前々回のオティエ湖の記事の中でニース山小屋(Refuge de Nice)に通ずるハイキングトレイルのことに少し触れた。実はその一週間後、ベルべェデールに再び戻り、ニース山小屋そしてその先のニレ湖(Lac Niré)まで歩いたので、その時の様子を書いてみる。左の地図を御覧頂ければお分かりのように、分岐点からオティエ湖へ向かわずに、ゴルドラスク谷に沿って(オレンジ色の道)ニース山小屋まで行く。1時間半の行程とやや長いが、なだらかな登りなので初心者でも楽に歩ける。

分岐点から「エストレック滝」(Cascade de l'Estrech)そして昔の関所跡だろうか、「イタリア人の壁」(Mur des Italiens)と呼ばれる石壁を通り過ぎながら高度を上げて行く。イタリア人の壁を過ぎたあたりから、次第にむき出しの岩石が目立ち始める。しかしまだ標高が低いので植物も青々と茂っている。小川がそこここに流れていて、典型的なメルカントゥールの風景である。途中、牧草地のような広く平坦な場所を歩くが、非常に気持ちが良い。

ニース山小屋(標高2232m)は「フウ湖」(Lac de la Fous)を見下ろすように岩の上に立っている。かなりしっかりと造られた建物で一度に80人収容できるらしい。その横には冬用のやや小さい山小屋も立っている。フウ湖には水量調整用のコンクリートの堰が設けられている。どこか人口湖のような感じがして余り面白くない。山小屋で昼食をとろうと考えていたのだが、すでに他のハイカーの一団にベンチを占領されてしまっていたので、さらにニレ湖まで進むことにした。

ニース山小屋とフウ湖

ニレ湖はさらに100m程登った所にある。この辺りには滝や小川が無数に流れている。小川を二度、三度と渡り先へ進む。すでに駐車場を出発してから600m以上登り、二時間半ぐらい歩き続けているので疲れてきた。最後の登りはややきつかった。

ニレ湖(標高2353m)はオティエ湖に比べればやや見劣りするが、それでも美しい。氷か雪の塊が湖の中央に浮かんでいた。鉱物質の風景である。ここで昼食をとった後、さらに奥へと行ってみると、小さい湖がまだある。

ニレ湖

名前の無いこれらの湖の岸の一部は平らな草地になっていて、フランス人ハイカーのグループがテントを立て、それぞれ本を読んだり、昼寝したりしていた。非常に気持ちの良い場所だ。こんな所で一晩過ごしてみたいと思った。

ニレ湖の先にある無名湖のひとつ

道はさらに続き、上の写真の背景にある山を越えて驚異の谷へと行く。実際、このトレイルはGR52と呼ばれるアルプス縦走トレイルの一部である。さらに補足すると、このGR52はさらに大きい、オランダの北海沿岸から始まり、地中海のニースまで延びる全長2600キロのGR5と呼ばれるトレイルの地方名である。だが、我々のハイキングはこの無名湖までで、しばらく辺りの風景を堪能した後、同じ道を引き返した。

景色がきれいで変化に富んでいて、非常に満足できるハイキングだった。ニレ湖で止まらずに、その奥へさらに進むとことをお勧めする。

0 件のコメント: