2014年8月15日金曜日

ヴァンス湖(Lacs de Vens)-メルカントゥール国立公園

ヴァンス湖の中で最大の湖
サン=テティエン=ド=ティネ(Saint-Étienne-de-Tinée)の近くにメルカントゥール国立公園(Parc national du Mercantour)の中でもその美観でよく知られたヴァンス湖(Lacs de Vens)がある。先日、友人達とそこへ行ってきたので、その時のハイキングについて少し書いてみる。「ヴァンス湖」とは五つある湖の総称で個々の湖には名前がない。
ニースからの道のり
ニースからだと車を飛ばせば1時間半ほどでサン=テティエン=ド=ティネの村に着く。そこからボネット峠(Col de Bonette)へ行く狭い田舎道に入り、さらに8キロ走ったところに今回のハイキングの出発点である駐車場(標高1533m)に着く。国立公園の看板が立っているので見つけやすいと思う。ティネ川の畔に設けられた10台ほどの小さな駐車場である。
駐車場から最初はなだらかな林道を登り始める。林道は道路の反対側にある。林道を100mほど登った所にもうひとつの駐車場があり、もし下の駐車場が一杯の時はここに駐車すればよい。
ハイキングルート
登りは長く、ややきつい。ヴァンス山小屋(Refuge de Vens)は標高2380mのところにあり、この850mの標高差を一気に登る。下りが殆ど無い。後で、オティエ湖のハイキングによく似ていると思った。途中、何度か川を渡ったり、滝を眺めたりするのだが、結局、同じ狭い谷を垂直に登ってゆくだけなので景色の変化が乏しい。この点、オティエ湖のルートは歩いていて楽しい。
最初の湖-残雪が見える
2時間程費やして最初の湖に到着する。ここからは殆ど平坦なので歩きやすい。我々はさらにヴァンス湖の中で最大の湖(最初の写真)まで行き、その湖畔で昼食をとった。
この湖の上に山小屋が立っている。山小屋を挟むように二つの滝が落ちていて、遠くからの眺めはなかなかきれいである。滝を除けばニース山小屋の雰囲気だ。友人達を湖畔に残して、私が訪れた時には10人ほどのイタリア人のハイカーのグループで賑わっていた。
二時間近く湖畔で休んだ後、同じルートを引き返して駐車場まで戻った。
典型的なメルカントゥールの景色だった。湖、青々とした草、モルモットの泣き声、川、滝、岩山と全部そろっている。ただ、何か物足らなさを感じた。後で妻と話し合ったのだが、多分、湖に着くまでの景色が少し単調だったせいかも知れない。なんと贅沢な不満ではないだろうか。アクセスがやや難しいのでそれほど多くのハイカーとは出くわさなかった。みんな、公園の他の名所にいってしまったのだろうか。
滝に挟まれたヴァンス山小屋とその周辺-パノラマ合成写真
後日談
家内があるハイキング愛好家と話をしたところ、彼にはヴァンス湖からの帰り道がかなり退屈だったそうだ。今から思い返してみると、湖自体も格別美しかったとも思われない。平均的な美しさとでも言えようか。もっとドラマチックで綺麗な場所は他にもあるので、ここはさほど強くはお勧めしない。

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