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隣接するアルプ・ド・オート・プロヴァンス県のモンブラン(Montblanc)村の教会の紅葉 |
プロヴァンス(特にニースのあるアルプ・マリティム県)の紅葉については以前にも紹介した。ルー川(le Loup)沿いのルー渓谷やクルム村はニースに近いので手軽に行ける。今回はさらに北上して、ヴェスビー川(la Vésubie)沿いのサン・マルタン・ヴェスビー(Saint Martin Vésubie)、ヴナンソン(Venanson)、ティネ川(la Tinée)沿いのヴァルドブロール(Valdeblore)そしてヴァール川(le Var)沿いで隣県のアルプ・ド・オート・プロヴァンス県(Alpes de Haute Provence)のアントルヴォー(Entrevaux)周辺の紅葉を紹介する。
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アルプ・マリティム県の主要河川 |
メルカントゥール国立公園の玄関口のサン・マルタン・ヴェスビー(中心部の標高は928m)は高山ハイキングシーズンの夏にはしばしば通るのでよく知っていると思っていたのだが、不思議と秋に行った記憶がなかった。(有り得ないことだが)実際にこの時期に行ったことがなかったのか、行ったが紅葉が記憶に残るほど綺麗ではなかったのか分からない。ここでは隣村のヴナンソン(Venanson)に登ることを特にお勧めする。車で10分程で行ける。ヴナンソンは人口約150人の小さな村で、ちょうどエズ(Eze)のように岩山の上に立っているのでサン・マルタン・ヴェスビーとその周辺の山々が非常によく見渡せる。ヴナンソンの南側には「納屋(les Granges)」と呼ばれる谷があり、ここの紅葉は素晴らしい。村に車を駐車して谷を散策することを強くお勧めする。
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ヴナンソンの「納屋」谷の紅葉 |
サン・マルタン・ヴェスビーから県道D2565をヴァルドブロールに向かって進むと、ラ・ボリン(la Bolline)と呼ばれる村の外れの集落を過ぎた辺りから紅葉が増してくる。道路はくねくねと曲がりながら小さな谷(le vallon de Bramafam)をティネ川へ下って行くのだが、この辺りは桜の木や栗の木が多く生えていて赤と黄色が美しい。途中で出くわしたハイカーの話では春には桜のピンクの花で谷全体が染まるそうである。日本ならばこのように紅葉が綺麗な場所はよく知られていて、多くの人が訪れるのだが、紅葉狩りの習慣がないフランスでは情報からして殆どなく、他のハイカーや知り合いの口伝えに頼るしかない。
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ラ・ボリン(la Bolline)の森 |
私にとって今年の秋の最大の収穫はヴァール川の紅葉の美しさを再発見したことだ。ヴァール川はニースに注いでいて、地元の人間にとっては見慣れた川なので、私の頭の中では山間の紅葉とは強く結びついてはいなかったのだろうと思う。今回、妻がアントルヴォーへ行こうと提案した時には、どうしてあんな所まで行きたいのかよく分からなかった。確かにアントルヴォーのプラタナスの並木道は綺麗だが、「紅葉狩り?」
アントルヴォーは中世の城で有名でこの地方の観光名所のひとつであるが、村自体はそれほど綺麗だとは思わない。アントルヴォーからは狭い県道D610に入ることをお勧めする。国道N202までの数キロの短い道程なのだが、山あり谷ありと地形が変化に富んでいて飽きることがない。何より山肌の紅葉が非常に美しい。一枚目の写真はこの道のちょうど中間地点にあるモンブラン(Montblanc)村の教会のものである。県道はルエン(Rouaine)村で国道に合流する。ここも景色が美しい。国道からは魅惑的なハイキングトレイルがいくつか見えた。いつかここに戻って来たいと思った。
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アントラヴォーの風光明媚な県道(赤) |
アルプ・ド・オート・プロヴァンス県は私の好きな県のひとつである。雄大なヴェルドン渓谷、ラヴェンダー畑で有名なヴァレンソル、ボネット峠、バルセロネットなど、景色が美しく、ハイキングを楽しめる場所が数多くある。ニースからだとやや遠いので泊りがけでないとなかなか出かけられないのだが、秋の紅葉はきっと素晴らしいに違いない。是非、機会をつくって数日間この地方を巡ってみたいと思う。
紅葉はその年の気候に左右されて、時期がずれたり、色合いが良くなかったり、短期間で終わったする。平年的には十月の中旬に始まり、二、三週間続く。今年は不順な天候にも拘わらずに平年並みのようである。メルカントゥール国立公園ではすでに何度か雪が降った。カラマツの針葉も散り始めている。冬が次第に近づいている。
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ルエン村と周辺の山々 |
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