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峠付近から見下ろすジアロルグ谷 |
ジアロルグ峠(le col de Gialorgues 2519m)は県北部に位置し、ニースからだと最寄の村(サン・ダルマス・ル・セルバージ Saint-Dalmas-le-Selvage 人口125人)まで100キロ以上もあるので日帰りのハイキングにはややきつい。一泊二日で他のハイキングとセットで週末なりを過ごすのが最良だと思う。とにかくここは遠い。
ハイキングトレイルの入り口はサン・ダルマス・ル・セルバージ村からさらに6キロ先にある。道路はかなりの悪路で、結局、入り口の手前数百メートルで進めなくなり車を止めて歩くことになった。ガイドブックには道路状態まで詳しくは書かれていなかった。下の地図からお分かりのように、トレイルはジアロルグ谷を直線的に登る。標高差600メートル、往復4時間となっているが、
実際には5時間ほどかかった。最初はカラマツ林の中を歩く。4,50分で草に覆われた谷に出ると、そこから峠までは緩やかな登りになる。直線的に登るので余りドラマチックな景色の展開はないのだが、そこここに小さな発見がある。ジアロルグ谷にはあちこちに大小の川が流れていて水が豊富なのがわかる。この日は丸々と太ったマルモットを二匹見た。谷のほぼ真ん中に二軒の小さな山小屋がある。まったく人里離れた山奥にポツンと立っているので興味をそそられる。一軒は閉まっていたが、もう一軒は誰かが泊まっているらしく、洗濯物が軒先に干してあった。最初は途中で出会った羊飼いの家だろうと思ったが、そうではなさそうだ。さらに先に進むと湖が二つある。さほど綺麗ではない。湖を通り過ぎ、最後の登りの後に峠に到着。
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ジアロルグ谷への入り口 |
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ジアロルグの山小屋 |
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ジアロルグ峠 |
峠は強く、冷たい風が反対側から吹き上げていたので私達はリュックからジャケットを取り出して羽織った。反対側にも同じような谷が広がっていた。こちら側の山々はより荒々しい感じがした。ここで私達は反対側にあるエストンク(Estenc)村から登ってきた友人グループと合流した。このルートは我々がとったルートより標高差が200メートルほど高い。私達は近くのレストロップ湖(lac de l'Estrop)まで行き、そこで一緒に昼食をとった。2時間程ここで食べたり談笑したりした後、私達は友人達と別れてジアロルグ谷を下った。薄黒い雲が次第に空を覆い始めた。嵐に見舞われるのではないかと危惧したが、天気は最後までもってくれた。
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レストロップ湖からの眺め(ジアロルグ峠の下の建物は戦争中使われた要塞の跡) |
妻はこのハイキングがとても気に入ったようだったが、私は何か物足りなさを感じた。多分、景色に余り変化がなかったからかも知れない。美しいことには違いないのだが、ずっと同じ場所を回っているような気がした。谷を取り囲む山の登山について少し調べてみようと思う。
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